糸が切れた凧の毎日

これまで散々世間に迷惑をかけてきたので、これからは世間に恩返しをする番だと思っています。 周りの人の心に火を灯し、少しでも元気になってもらえれば、私も元気になれます。

友人は1人いれば良い

久しぶりに、前職の同僚と上野で飲んだ。

1999年に退職した1歳年下の58歳の男である。

彼は独身。

今は警備員のアルバイトで食いつないでいる。

あれから22年が経過した。

前職は、今で言うブラック企業であったので、22時過ぎまで毎日仕事をしていた。

終電で帰ることも多かった。

歳が近かったこともあり、仕事帰りに飲みに行った。

戦友といった関係である。

私は34歳で中途採用で入社した。

彼は新卒で入社した。

当然、彼は私より先に出世をした。

しかし、彼は画家になりたくて、36歳で退職をしてしまった。

私とは3年間一緒に仕事をした。

同僚が1人ひとりと退職をしていく。

同僚が退職するのには慣れてしまったが、彼が退職したときには泣いた。

彼はプロの画家には成れなかった。

若い頃は、派遣社員で食いつないでいたが、

50歳を過ぎた頃から警備員の仕事しかなくなってしまったようである。

私はサラリーマン人生でいろいろな人と出会ったが、

彼ほど信頼できる人はいなかった。

だから彼が唯一の友人と言ってもいいかもしれない。

仕事がらみの飲み会があるが、いつも鎧を着たまま参加している。

しかし、彼との飲み会には、鎧を脱げる。

リラックスができる。

本当に今日は楽しい時間を過ごせた。

彼には感謝である。