左遷を言い渡された35歳のお局様が泣いていた。
今回の異動は直属の上司の私が伝えるのではなく、役員から言い渡された。
異動の特別な理由を伝えるそうである。
オブラートに包んで話すのであろう。
お局様の同僚は、自業自得だと言っていた。
彼女は同じ業務を10年間続けていた。
最近では、その仕事を1人でこなしていた。
ワガママで、周りの社員とよくぶつかっていた。
私が15年前に中途採用で入社したときに、彼女は新入社員であった。
一緒に仕事をする機会があり、飲みにも行った。
素直で良い印象であった。
なぜ彼女がお局様になったのかを考えてみた。
生まれつきの性格が一番大きいのであろう。
環境要因もある。
彼女が配属された部署には、必ずお局様がいた。
そのお局様と彼女がうまくやれていない噂は聞いていた。
「あなたの周りの5人の平均があなた」という言葉はよく聞く。
知らぬ間に、周りの人に影響を受けて、平準化してしまう。
そして、彼女もお局様になったのだと思う。
彼女は独身で一人暮らしなので、会社が人生のすべてになってしまっていた。
彼女にとってはこれが人生の大きな転機だと思う。
これを、自責と取るか他責と取るかで今後が決まる。
同僚が悪い。上司が悪い。会社が悪い。
他責にしたら彼女の成長はない。
自分のどこが悪かったのだろうと素直に反省して、改善すれば成長できる。
自責の念がどこまであるか?
今後彼女が成長して戻ってきたとしても、私は定年退職でいないであろう。
だからこそ、私が直属の上司として、彼女の異動する前に、そのことを話そうと思っている。
それが上司としての最後の務めだと思う。