前職で60歳の役職定年を迎えて、定年退職までの5年間を考えました。
役職定年を迎えたら管理職ではありません。
部下はいません。
どうでも良い役職名は付くのですが名前だけです。
役職定年と同時に内部監査室に異動になりました。
今まで第一線で数値に追われて働いていたのに、閑職に追いやられてしまいました。
役職手当が無くなるだけで、年収は100万円くらいは下がります。
それでも大台の年収は確保できます。
しかし、定年退職までの5年間をこの仕事をするとなると悔いが残ると思いました。
自分の人生は挑戦の日々だと思っていたからです。
他社の友人とそんな話をしていたら、その会社に勤めることができました。
61歳の転職です。
転職先では、新規プロジェクト担当で、実務もやりますがオブザーバー的な仕事が主です。
第一線の人たちを俯瞰して見ることができます。
ふと、今までの第一線での自分の仕事のやり方を振り返りました。
前職の送別会のときに、部下から言われたことがあります。
「突破力がある」
私は、強引な仕事のやり方をしていたのだと思います。
絶対に成果を出すために、KPIを設定し、必死にそれを追いました。
自分も無理をしていましたが、部下にも無理を強いていました。
昼ごはんなどまともに食べたことがありませんでした。
部下を出世させることが上司の仕事だとも思っていました。
だから出世志向の強い部下には好かれていたのかもしれません。
しかし、それ以外の人には嫌われていたと思います。
私は他人の心の機微に疎い人間です。
人間関係を計算して行動することが苦手です。
周りの人を観察する余裕はなかったのだと思います。
社外に積極的に出ていき、多くの知り合いを作りました。
仕事の成果を出すための情報収集です。
社内でも社外でも仕事に全力投球でした。
一生懸命やることしか能がない人間です。
私は、部署では一番の年長者です。
周りの社員を見ていると、いろいろなことに気付きます。
さすがに私のような昭和のモーレツ社員はいません。
社員全体に共通して言えることは、行動力がないことです。
失敗することを恐れている。
失敗して傷付きたくない。
人とのいざこざは避ける。
だから周りの人に干渉はしない。
一人で黙々と仕事をするだけ。
定時に出勤して、定時に退勤する。
省エネ的な生き方だと思います。
しかし、経験値が少ないから予期せぬトラブルの対処ができない。
私は上司ではないので、直接アドバイスはしません。
しかし、トラブル対処ができるのが私だけというのが非常に虚しく感じます。
人は若いうちから挑戦して、失敗して、そこから学ぶことがあるから成長します。
それを若い社員に伝える必要があると思っています。