34年前に教えた男性とSNSで繋がっている。
当時の彼は中学3年生(15歳)、私は大学2年生(23歳)であった。
彼の誕生日の知らせには49歳となっていた。
毎年、彼の誕生日には、SNSでメッセージを送っている。
当時の彼は兼業農家の長男であった。
祖父母は農業、両親はサラリーマン、3歳下の妹もいた。
彼はもともと勉強が好きなタイプではない。
彼の高校受験のために私も必死で教えた。
正月も私の下宿に呼んで勉強を教えた。
何とか私立の男子校には入ることができた。
あれからいろいろあった。
彼の両親は離婚をした。
私も妻とは別居状態。
私は仕事を変えて住むところを転々とした。
彼は独身で、年老いた母親と同居しているらしい。
SNSの写真を見ていると、職人をしているようである。
妹は高卒で有名企業の工場に勤務をして、そこで知り合った総合職の男性と結婚をした。
一時期はご主人の転勤で海外にいた。
年賀状も途絶えていたがSNSで繋がったので近況が分かる。
彼らが元気で生きてさえいれば良い。
そう思えるようになった。
30年以上経過しているのに、兄妹で私を先生と慕ってくれている。
勉強ができるできないなんて、幸せになるための必要十分条件ではない。
この30年以上の年月がそれを証明してくれた。
SNSで心の繋がりが途絶えなければよい。
1年に1度の誕生日にお互いを思い起こせればそれで充分である。
彼らの幸せをいつまでも願っている。