ある日、家庭裁判所から離婚調停の呼び出しの通知が来た。
別居した妻が離婚調停の申し立てをしていた。
妻は離婚を迫っていた。
私は離婚をするのを断った。
それはあまりにも不条理であったからである。
確かに10年前から家庭内別居状態で、ほとんど口も利かない状態だった。
しかし、私が浮気をしたわけではない。
家庭内暴力を振るったわけではない。
金を家に入れなかったわけではない。
妻は、高機能自閉症の大学4年生の長男と、6年間引きこもり状態の次男を置いて、家を出たわけである。
離婚をするにも踏ん切りがつかなかった。
2カ月に1度、家庭裁判所に呼ばれて、お互い別々に調停員に話を聞かれた。
プライベートの深い部分にまで根ほり葉ほり聞かれた。
本当に辛かった。
1年が経過しても結論が出なかった。
調停員が裁判官と相談して出した答えは別居維持であった。
離婚するには状況が弱いとのことであった。
妻が持って出た貯金通帳を私に返すこと。
私が妻に毎月10万円を送金することになった。
妻は、ある会社でパートの講師として働いているとのこと。
会社といえども、50歳代の男性社長とパートの妻だけである。
月に9万円しかもらっていないそうである。
私の扶養に入っている状況である。
この状況も給与額もおかしい。
証拠がないので、逆に訴えてやろうと思うこともある。
妻が不貞をしているのではないか?
この状況が1年半続いている。
長男は、障害者として認定され、障害者として働いている。
家を出て一人暮らしである。
私と次男が同居している。
毎日必死で生きている。
仕事ができるだけでも幸せかもしれない。
なぜ自分がこんな目に合わなければならないのか?
妻が家を出て、障害者の2人の息子を抱えて、自分が脳梗塞になり、離婚調停をして別居を維持。月9万円しか働かない妻のために月10万円を送金している。
すべてを投げ出したくなるときもある。
しかし、障害者の次男を自立させることが、父親としての最後の務めと思って生きている。