53歳のときに妻が家を出て行って途方に暮れた。
22歳の高機能自閉の長男と、19歳の引きこもりの次男を抱えてどうやって生活しようかと悩んだ。
長男は大学を卒業し、苦労はしたものの何とか就職はできて家を出て行った。
19歳の次男と2人で残されて、生活を試行錯誤した。
私は仕事で忙しかった。
引きこもりの次男がある程度の家事を担当した。
通勤途中の電車で、突然涙が出て止まらなくなった。
仕事の会議でも、感極まって泣いてしまったこともあった。
その2か月後に、突然ろれつが回らなくなった。
病院に行ったら脳梗塞と診断され、突然入院を言い渡された。
ラクナ梗塞であった。
舌が麻痺して、活舌が悪くなったが、その他は大した後遺症も無く、12日間の入院で退院できた。
ストレスから脳梗塞になったのは確かだと思う。
血糖値が高いから毎朝2錠の薬は飲んでいた。
脳梗塞になってから、5錠の薬が追加されて、毎朝7錠の薬を飲むようになった。
自分の死を意識してから、引きこもりの次男を自立させようと思った。
仕事を休んでいろいろな施設を回った。
彼もやる気を出して、日商簿記2級をはじめ、いろいろな資格を取得した。
いろいろな方にお世話になり、今では精神障害手帳を取得して、総合病院の経理事務のパートで働いている。
経理事務の仕事は2年間続いている。
あとはパートではなく正規の職員になってもらいたいと願っている。
彼の職場で退職する人が増え、パートの身分でも毎日残業をしている。
夕食を作るのが彼の分担なのだが、作る時間が無いので買った弁当の日々が続いている。
次男は病院に勤務しているので健康管理はできていると思う。
食生活が乱れると病気になる。
また入院生活をしたくない。
そこで、私は昼食に気を遣うようになった。
職場の近くの健康的な手作りのお弁当屋で、魚と野菜の多い弁当を買って食べている。
最近は私生活で嫌なことが続いているので、体重が2㎏減っている。
10年前は88㎏あった体重が今では76㎏になった。
親父が70歳で死んでいるので、自分の人生もあと10年だと思っている。
残りの人生を平和でのんびりと暮らしたいと思っているが、なかなかそうはいかないようである。
死ぬときには安らかに死にたい。