高校時代の親友が故郷の県立高校の校長です。
地元で一番の進学校です。
東京大学にも何人か進学します。
彼も還暦で、今年が校長最後の年になります。
若い頃から志が高く、学校改革に熱心でした。
早くから校長になりました。
そんな彼から依頼をされて学校運営の外部委員になりました。
初めての会議に参加をして驚きました。
委員にはその高校の卒業生である地元の名士が名を連ねています。
地方の伝統校に必ずある学校行事。
先輩応援団が新入生をしごく応援練習。
海で遠泳をする合宿。
夜中に何十キロを歩くだけの行事。
昭和の時代には、努力・根性・度胸が美徳とされました。
昭和のスポ根漫画の代表格が「巨人の星」。
「柔道一直線」「エースを狙え」「アタックナンバー1」・・・みんな現在ではハラスメントです。
そんな行事を校長である彼が廃止をしてしまいました。
そのことを卒業生である地元の名士が否定するわけです。
自分の過去を否定された卒業生は怒ります。
しかし、思い出が美化されているだけで、現代の生徒からすれば苦痛でしかありません。
廃止する代わりに、東京の企業で1泊2日のインターンシップを導入したのでした。
会議に出席して気付きました。
伝統にしがみついて、何も変えない卒業生がほとんどです。
それも地元の名士です。
既得権にしがみついているだけの老害です。
時代は昭和から平成を経て令和になっているのです。
時代が変われば環境が変わる。
環境が変わればやり方も変わる。
親友である彼が話した言葉が心に刺さりました。
「伝統は手段であって目的ではない。大学受験も手段であって目的ではない。生徒が社会で生きるチカラを身に付けることが教育の目的である。」
次回の会議では、彼の側近として、反乱軍ののろしを上げたいと思います。