高校時代の友人に久しぶりにLINEで連絡をしたら、定年退職するとのことであった。
彼は誰もが知る有名企業の部長である。
若い頃は海外支社の社長にもなった。
彼とは6年前にふとしたことで同窓会で再開した。
話をしたら、勤務先の会社が歩いてすぐのところにあった。
ランチを一緒にしたこともある。
それから数回会って飲んだ。
彼は、静岡に実家がある。
実家から新幹線で東京に通っている。
話を聞くと、誕生日が1月だから来月退職するとのことであった。
東京に勤務していれば、仕事帰りに会うこともできる。
しかし、郷里の静岡に帰ったらなかなか会うこともできない。
そこで送別会を開こうと思ってスケジュール調整をしたら、彼の退職日までに合う日が無かった。
彼は60歳で退職を決めていた。
雇用延長して65歳まで働けるのに、なぜ60歳の定年退職で辞めてしまうのか?
同窓会のときに話したことがある。
役職定年になっても仕事を続けるのは嫌だということだった。
ヒラで働くことはプライドが許さないということであった。
先日会った三菱商事の社員が言っていた。
定年退職して子会社で働くことができるが、子会社で給料がダウンするよりは、企業年金をもらったほうが収入は高いそうである。
いろいろな会社人生があるのだと思った。
定年退職や役職定年というのは人生の大きな転機である。
最近、死を意識するようになった。
親父が死んだのは70歳。
私が70歳になるまであと10年。
残りの人生は、やりたいことをやったほうが良いのではないか?
しかし、自分の魂を奮い立たせるまでのやりたいことが見つからない。
私の職場は、役職定年になっても、収入は10%くらいダウンするだけ。
それで65歳まで働き続けることはできる。
それならば、プライドを捨てて働き続ければ良いのではないかとも思ってしまう。
違う仕事に挑戦したいという気持ちもある。
私の場合は、家族に囲まれたのんびりした老後はない。
ならば仕事で燃え尽きたほうが幸せなのかもしれないと思うこともある。
自分の進路については葛藤の毎日である。
お恥ずかしながら還暦にして迷いっぱなしである。