前職で一番仲が良かった元同僚と久しぶりに会った。
彼は私より1つ下の57歳。
独身の一人暮らしである。
私と同じ会社に勤務していたのだが、画家を目指して20年前に会社を辞めた。
勤務していた会社でもデザインの仕事に従事していた。
その後、絵では食っていけずに派遣社員となった。
派遣の仕事も50歳を過ぎると、ポスティングか警備の仕事しかないらしい。
現在は、ある会社の警備員の仕事をしているらしい。
飲みながら話をした。
私は脳梗塞になってからは断酒しているので、ソフトドリンク専門である。
彼の弟が2ヶ月前に突然死したらしい。
造園業で仕事中に心筋梗塞で倒れた。
彼の弟は55歳で独身。
実は彼の母親も2年前に他界している。
88歳になる父親は一人暮らしをしているらしい。
父親はかなり体が弱っているとのこと。
残されたのは彼と父親の2人だけ。
父親の家まで電車で2時間はかかる。
面倒を見るにも遠すぎるとのことであった。
しかし、これから何年かしたら父親も亡くなり、彼が一人になってしまう。
警備員の仕事は70歳を過ぎてもできるとのことであったが、体が資本の仕事である。
一人残されたときに彼はどうなるのであろう。
私も他人事ではない。
家族がバラバラになった現在は、私が倒れたら誰も面倒を見ないであろう。
現在は次男と二人暮らしであるが、次男が自立していつかは家を出ていくだろう。
次男も家族に愛着があるわけではない。
女房とは、家庭裁判所の離婚調停で別居を言い渡された。
月々10万円を女房に送金している。
いつかは離婚になるであろう。
そうなると一家離散で消滅する。
自分は最期はポックリと死んでいきたい。
誰にも迷惑をかけないように。
それが私の最期の願いである。