糸が切れた凧の毎日

これまで散々世間に迷惑をかけてきたので、これからは世間に恩返しをする番だと思っています。 周りの人の心に火を灯し、少しでも元気になってもらえれば、私も元気になれます。

不幸は続く・・・

4年前の10月に妻が突然家を出て行った。

私には突然であったが、彼女は用意周到に準備してあったようだ。

結婚するときの約束が、私は仕事、彼女は家事だった。

だから私は仕事一筋であった。

正直、家事も子育てもほとんどやらなかった。

それで良いと思っていた。

 

妻が家を出て行った後、

大学4年生の22歳の長男と、中学1年生から6年間引きこもっていた19歳の次男を抱えて途方に暮れていた。

 

長男は高機能自閉症で就職が決まらない。

それは健常者として就職活動をしていたからである。

見た目は健常者である。

ある程度の偏差値がある大学で、勉強は普通程度にはできていた。

しかし、空気が読めない。

だから、面接では苦労していた。

アルバイトの面接でさえ6回も落ちて、7回目でコンビニにやっと通った。

真面目なのだが融通が利かない。

何とか、大学4年の1月に派遣会社の社員として内々定をもらった。

そして、工場勤務になった。

三交代の工員さんである。

自宅から車で1時間の距離にある工場に配属された。

私が軽自動車を購入した。

マルチタスクができないので、仕事ができないとの評価をされ、周りの人から冷たくされたらしい。

とうとう入社3カ月目で、交通事故を起こしてしまった。

幸い1日の入院で済んだが、仕事を辞めてしまった。

それから、障害者手帳を取得し、ハローワークの紹介で障害者雇用となった。

アパートを借りて、一人暮らしを始めた。

彼は、家族が嫌いだったようである。

出ていくときにそんな話をされた。

それきり、LINEもブロックされ、連絡もない。

父親としてはショックであった。

次男とは連絡を取り合っているらしい。

 

次男は、引きこもりであった。

しかし、彼は、妻が出て行ってどうなるかを理解していた。

長男と違って、発達障害ではない。

後から判明したのだが、中学1年生のときにいじめにあって登校拒否をした。

空気を読みすぎるほど読む。

だから、自己主張がなく、自分に自信が無くなったようである。

彼は、何とかしなければと思ったらしく、料理だけは次男が担当した。

料理の材料は配達してくれる会社に頼んだ。

それを彼が料理をして、出してくれた。

長男はまったく家事をしなかったので、私が掃除と買い物、次男が炊事を担当した。

 

私が死んだら次男がどうなるのだろう?

次男を自立させなければならない。

そう思って、彼をいろいろな施設に連れて行き相談をした。

今まで妻に全部押し付けてきた罰だと思った。

インターネットでいろいろ調べて、出かけて行った。

いくつかの施設を利用させてもらった。

定時制高校に入学することも考えた。

半年間ほど、私は仕事が終わって帰宅した後、彼に勉強を教えた。

小学校と中学校の教科書をすべて購入し、教科書を教えた。

しかし、彼は受験をしなかった。

毎日通う自信が無いということだった。

 

次男は、心療内科で診てもらったほうが良いというアドバイスをいただいた。

それは、障害者として活動したほうが社会に出るのが有利だということだったらしい。

今でも心療内科に通院している。

精神障害3級となり、施設に無料で通うことができた。

 

その施設に1年ほど毎日通っている。

1年目は車の送迎付きだからであったが、2年目からは自力で通っている。

人間関係に悩んでいるらしいが、電卓の検定や日商簿記3級を取得し、現在日商簿記2級を目指して勉強を続けている。

MOSも勉強している。

施設でも模範的な通所者らしく、関連施設で働いてみないかとの誘いも受けた。

今も、次男が夕食を作ってくれている。

それは本当に感謝である。

彼は私にとって、生きる希望となっている。

何とか彼を自立させたい。

 

妻が別居して2カ月後に、私が脳梗塞になったことは次に書きたいと思う。