私はもともと引っ込み思案な性格です。
幼い頃は、見知らぬ人が家に来ると、親の後ろに隠れていたそうです。
その名残で、普段から積極的に話すタイプではありません。
ただ、大人になり、仕事の必要に迫られて話すようになりました。
講習や勉強会にも参加し、話し方のコツも学びました。
先日面談した企業の役員の方からは、「説得力がある話し方ですね」と言われ、少し自信もつきました。
どうやら“目的がある場面”では話すことができるようです。
一方で、困るのが世間話です。
今年2月末、34年間通っていた床屋さんが閉店しました。
ご主人は口数が多い方ではありませんでしたが、長い付き合いのおかげで、ほとんど言葉を交わさなくても通じ合っていました。とても居心地のよい場所でした。
3月から新しい床屋さんに通い始め、すでに9カ月で7回ほど利用しています。
ご夫婦で営んでいて、昔からの常連さんが多いようです。店主はほかのお客さんとはよく話をしていますが、私はほとんど会話がありません。
お互いにタイミングをうかがっている、そんな状況です。
そんなとき、社会人になったばかりの頃を思い出しました。
私は大学卒業後、住宅会社で2年間、飛び込み営業をしていました。
その時に上司から教わった会話のネタがこれです。
困った時の会話ネタ「たちつてとなかにはいれ」
た:食べ物
ち:地域
つ:通勤・通学
て:天気
と:富(景気)
な:名前
か:体
に:ニュース
は:はやり
い:異性
れ:レジャー
約40年前に教わったものですが、今でも覚えています。
とはいえ、今の私は営業ではなく“お客さん”です。
無理に話す必要はないのかもしれません。
セールスフォースに勤める若い友人に聞くと、最近は対面営業自体が少ないそうです。
となると、今の営業はどうやって会話のきっかけを作っているのでしょうか。
そんなことをふと思いました。