高校時代の親友が故郷の静岡で進学校の校長をやっている。
彼も還暦。
今年で定年退職。
最後の年なので、やりたいことをやり切って退職したいとのこと。
生徒募集と進学実績向上に力を貸して欲しいと連絡がきた。
来週の教員全員の研修にアドバイザーとして参加して欲しいとのことであった。
あまりにも急な依頼で驚いた。
しかし、彼の心意気に賛同しないわけにはいかない。
ZOOMでならば参加するとの返事をした。
実は、先月、彼の高校のオープンスクールに学校運営委員として参加して、授業参観をした。
受験を考えている中学生と保護者が学校を見学するものであった。
あまりにもお粗末なイベントであった。
企業のイベントと比較してしまった。
受験を考えている中学生や保護者は、重要な契約見込客である。
そんな重要な客をみすみす逃すようなイベントであった。
彼の高校は超進学校であるが、最近は近隣の高校に志願者を奪われていた。
明らかに伝統にあぐらをかいた怠慢である。
彼の県立高校の教員人生の有終の美を飾らせてやりたかった。
そこで、授業参観の後の学校運営協議会の場で、いろいろとアドバイスをした。
マーケティングの4Pから説明をした。
集客の方法、参加者満足度の向上、参加者の受験までの囲い込み方法などを話をした。
そんなことは企業では当たり前のことばかりであった。
伝統校の学校運営協議会でそんな話が出たことはなかったらしい。
その話を教員に説明をして欲しいとのことであった。
公務員の教員からすれば、面倒くさいことはやりたくないと思われるであろう。
しかし、若手の教員の何人かの心に火を付けたいと思った。
8割の教員に嫌われても、2割の教員が賛同してくれれば良いと思った。
日本全国の15歳人口は約115万人。
今年の出生数は約80万人。
人口は減少し続けて増加することはない。
地方の人口減少は激しい。
若手教員の将来は厳しい。
だからこそ今からエンプロイ・アビリティを身に付けておかねばならない。
公務員だから安心ということはない。
そんな話をしようと思う。