とうとう還暦を迎えてしまった。
正直言って悲しい。
こんな年になってしまったという落胆をしている。
昔から人生は燃え尽きたいと思っていた。
全力投球をして、ポックリと苦しまないで死ねれば本望だと思っていた。
実態としては、全力投球をして死ぬということは不可能だと思う。
まずは、自分の体力が落ちていることを感じる。
最近は睡眠が浅い。
頻尿ぎみになっているので夜中にトイレに起きる回数が増えている。
それが原因だと思う。
次に、定年退職の準備期間なので、会社の中でもフェードアウトする体制にならざるを得ない。
仕事で生きてきたので、退職することが恐ろしい。
退職=自分の存在価値が無くなることになる。
自宅の地域社会に溶け込もうと思っても、なかなか勇気が出ない。
今は、毎日往復3時間をかけて通勤をしている。
家には寝に帰ってくるだけの毎日である。
自宅は古い分譲地にあるので、近所の方々はすでにリタイヤしている方々がほとんどである。
庭いじりをしている人も多い。
でも自分はそんな気分にはなれていない。
私の一家は離散している。
1人暮らしをしている28歳の長男も、同居している25歳の次男も結婚しないであろう。
だから子ども夫婦と孫が遊びに来るようなことはない。
そこには生きがいが見い出せない。
趣味もそこそこやってはみたが、没頭できるものはできなかった。
定年退職したらどうなるのだろうと不安になってくる。
やることがなくて、家の中でボーっと過ごす毎日になるのだろうか?
今は、仕事以外でも依頼されることがあり、それを受け入れることで、忙しい毎日になっている。
それすら無くなってしまったら、生きる原動力が無くなるのではないだろうか?
それが一番怖いことである。