次男は中卒である。
それも中学1年生の夏休み前までしか登校していない。
何が原因かさぐっても今更どうにもなるわけではない。
果たして学歴って何なんだろう?
私は紆余曲折あったが大学まで行くことができた。
大学1年生のときに、ある先生の授業を途中で逃げ出した。
その先生は、授業の最初と最後に出欠を取ったらしく、
私が途中で逃げ出したことが先生に分かってしまった。
次の授業で教室の前に呼び出され、理由を聞かれた。
「先生の授業がつまらなかったからです」
「では、君は何のために大学に来たのかね?」
「学歴を買うためです」
そんな問答をしているうちに、私はその先生にとても気に入られてしまった。
自分の意見を正々堂々と主張できる若者は珍しいとのことであった。
後で分かったことなのだが、その先生は東大在学中に学生運動をやっていたとのことであった。
東大紛争に加担した学生だったらしい。
だから権力に負けず、自分の意見を言える学生が好きだったらしい。
ちょっと変わった先生であった。
今もそうだが、文系の学生は大学時代に学んだ知識を、社会に出てから活かすことはほとんどない。
男性の場合は、大学時代の人脈が社会に出てから役に立つこともある。
「高学歴≒一流企業」の構図があるからである。
学生の新卒就職に関して言えば、学歴フィルターは必ずある。
高学歴は就職に有利である。
それ以外に大学に行く価値はあるのだろうか?
私は、多くの学生は「学歴を買うために大学に行く」のだと思っている。
就職の際に、企業の採用担当者が大学の成績など見ない。
大学入試の偏差値の序列は見ている。
むしろ、アルバイト経験やサークル活動などで、どれだけ試練を乗り越えてきたかを評価している。
医学部や看護学部などの業務独占資格が取得できる理系の大学ならば、授業で学ぶ価値はある。国家試験に合格しなければならないからである。
しかし、多くの文系の学部は、授業で学んだことが社会に役立つことはないと思う。
次男に学歴のことを話すことがある。
やはり、通信制の高校でも良いから高卒になっておくべきだと思う。
学歴社会で少しでも有利なポジションにいたほうが生きていくのに有利にはなる。