年賀状を書きながら、
遠く離れた故郷を思い出す。
思えば遠くに来たものだと思う。
いろいろな場所に住んだ。
いろいろな仕事をした。
子どもの頃は公害喘息で苦しんだ。
小児喘息で入院もした。
病弱であったが、何とか還暦の手前まで生きられた。
もう故郷には住みたくない。
実家には年老いた母親と54歳の独身の妹が住んでいる。
もう20年以上会っていない。
会いたいとも思わない。
両親の財産は妹が相続して老後を送って欲しい。
死んだ親父も年老いた母親も私には愛情を注いでくれなかった。
高校生の頃はとにかく実家を出たかった。
親子の仲が良い家庭が理解できなかった。
私は家庭を持つことができたが一家は離散している。
私は家族を持つことに適していない性格なのだろう。
その報いはこれからの自分の老後に苦痛として味わうことになるだろう。
覚悟しなければならない。
年賀状を書きながら思うことは、
これまでいろいろな人にお世話になった。
本当に感謝である。
涙が溢れ出てきた。
自分もいつまで元気でいられるか分からない。
相手も年齢を重ねているから人生の後半戦である。
だから、会えるうちに、会える人には、会っておこうと思う。
そしてこれまでの感謝を伝えよう。